(Kepler-452 b Ocean Planet Credit: Chise Hatsuoka, Habitable Research Unit SGH Moriyama High School)
Kepler-452b とは白鳥座に位置する、地球から1,400光年離れた G 型主系列星 Kepler-452 を周回している太陽系外惑星であり、太陽と似た恒星の周りのハビタブルゾーンで初めて見つかった岩石惑星であると考えられている。年齢は約 60 億年で主星である Kepler-452 が太陽に似ており、公転周期が約 384 日であるなど地球と類似点が多いため、しばしば「地球のいとこ」という表現が用いられる。
(Kepler-452 b Credit: Fuka Takagi and Yosuke Yamashiki, generated using Planet Map Generator and OpenGL)
(Credit: Shione Fujita & SGH Moriyama High School)
Weiss and Marcy (2014) の手法によって ExoKyoto を用いて推定した質量は地球の約 4 倍であり、いわゆる「スーパーアース」とよばれるタイプの惑星である。一方で、半径は地球の約 1.6 倍であることから、平均密度が小さく分厚い大気に覆われている惑星だと考えられる。大きな重力のもとでは大量の水の獲得が容易であり、また獲得した水の散逸は困難である、との予想から、我々の想像図においては、水深 30km~50km 深い海がほぼ全体を占めているオーシャンプラネットを想定した。そのような条件において陸地は大陸でなくハワイのような列島が点々と存在していることが予想される。
ただし、主星が太陽よりも 15 億年ほど年を取っているため、太陽よりも大きなエネルギーを放射していることが想定され、Kepler-452b も地球よりも大きなエネルギーを受け取っていると考えられる。そのため、(暴走)温室効果の影響により、表面の水は存在できなくなっている可能性もある。また、Kepler-452b 自体も地球よりも 15 億年ほど年上の惑星であると考えられるため、惑星の表層環境を詳しく調べることができれば、地球が今後迎えるであろう環境変動についての情報を得ることができるかもしれない。
いずれにせよ、今後の詳細な追観測により、惑星表層環境や海の有無を検証することが重要である。
(文責:藤田汐音・佐々木貴教)
ExoKyoto Stellar Screen で表現したKepler-452恒星系の位置
Kepler-452b に関する詳しい情報は以下のデータベースページをご覧ください。
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-452_b.html
ジャーナル記事
3.) Quantitative estimates of the surface habitability of Kepler-452b
WEB記事
1.) Kepler-452b: Earth’s Bigger, Older Cousin — Briefing Materials
2.) One Of The Most Earth-Like Worlds We’ve Found May Not Actually Exist
3.) Kepler 452 b: Inhabitable ‘Earth 2.0’ could be statistical mirage, study shows