K2-3d

7月 5, 2018 系外惑星の紹介

(K2-3dの想像図 Fuka Takagi, Hina Bando & Yosuke A. Yamashiki)

K2-3(別名 EPIC 201367065)は、地球から147光年の距離にあるM型星(表面温度3951K, 質量・半径は太陽の0.6倍程度)で、K2ミッション(ケプラー宇宙望遠鏡の第二期ミッション)によるトランジット法惑星探査が実施されてきました。K2ミッションでの観測によって2015年に3つの惑星が報告され、その後岡山188cm望遠鏡の高精度多色測光カメラMUSCAT等で惑星のパラーメータ決定精度を高めるためのフォローアップ観測が実施・論文が報告されるなどしています。

内側の惑星2つ(K2-3b, K2-3c)はそれぞれ、半径が地球の2.1倍, 1.7倍、中心星の周りを周回する軌道周期が10.1日と24.6日で、いわゆるスーパーアース(地球の数倍程度の質量・半径の惑星)に分類されます。

3つ目の惑星K2-3dは、地球の1.51倍の半径で、軌道周期が44.6日です。軌道長半径は0.21AUと太陽-地球間の距離(1AU)と比べるとかなり中心星に近い位置に位置しますが、中心星が温度が太陽よりも低いために、K2-3dはハビタブルゾーン(生命居住可能領域)の内側の境界付近に存在すると判定できます。

論文著者らの言葉によると、特にこのK2-3dについて、半径が地球の1.5倍程度の惑星であることから、地球に似た岩石惑星と揮発性元素が豊富な少し大きい惑星との境界に位置しうる惑星であること、さらに液体の水が表面に存在できる可能性があること、が示唆されます。

K2-3 dについて詳しく知りたい方はこちら
K2-3 d (exoplanetkyoto.org)

(Yuta Notsu)

ジャーナル記事

1.) Spitzer Observations of Exoplanets Discovered with The Kepler K2 Mission

2.) GROUND-BASED TRANSIT OBSERVATION OF THE HABITABLE-ZONE SUPER-EARTH K2-3D

 

WEB記事

1.) Potentially habitable super-Earth K2-3d observed transiting parent star

2.) Timing the Shadow of a Potentially Habitable Extrasolar Planet Paves the Way to Search for Alien Life

3.) K2-3d: Ground-Based Telescope Observes Super-Earth Transiting Bright Star

K2−3dは、太陽系から137光年(42パーセク)離れた恒星K2−3を周回する系外惑星で、2015年に公開された。

恒星K2−3は視等級12.2、絶対等級9.1である。

この恒星は太陽の0.6倍の質量で、半径は太陽の0.6倍であり、表面温度は3951ケルビンで、スペクトル型はM0.0Vである。

この恒星の惑星系で、K2−3dは、恒星K2−3の周りを公転周期44.6日で、軌道長半径0.2天文単位(31206115.8km)で公転している。

投稿者: exoplanetkyo