月: 2022年2月

TOI-1338b

TOI-1338bは、連星系TOI-1338を周回する周連星惑星である。NASAのインターン・プログラム中の高校生が発見したことで話題となった。

TOI-1338はがか座の方向1300光年先にある連星系で、質量は主星は太陽の1.1倍程度、伴星は太陽の1/3程度、約15日の周期で互いの周りを回っている。主星については、半径は太陽の3倍程度あるが表面温度は5723Kと太陽と同程度であり、スペクトル型はG4、見かけの等級は11.5、絶対等級は3.5である。名前のTOIというのはTESS Object of Interestの頭文字を取ったもので、系外惑星探査衛星TESSが探査した恒星や惑星を意味する。TOI-1338bの発見により、TOI-1338はTESSが発見した初の周連星惑星をもつ連星となった。

TOI-1338bはこの系唯一の惑星で、質量は地球の7倍程度、トランジット法で発見され2020年に公開された。その恒星が連星であることが影響し、トランジットの周期は93-95日で不規則。軌道面が連星の軌道面とほぼ一致しているため、常に恒星食の状態にある。ExoKyotoのスペクトルモジュールによれば、受ける光は可視光44.51%、赤外線47.80%、紫外線7.66%である。

(文責 清水里香)

(Imaginary Picture of TOI-1338 b, credit, Fuka Takagi & Yosuke Yamashiki, created using Planet Generator and OpenGL)
(Image Credit: Miu Shimizu, Kyoto Prefectural University )

TOI-1338 についてもっと知りたい方は、以下のデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/TOI-1338JP.html

GJ 3323 b

GJ 3323 b は、恒星GJ 3323 を周回する系外惑星で 2017 年に公開された. 恒星 GJ 3323 は視等級 12.2, 絶対等級 25.0 である. この恒星は太陽の 0.2 倍の質量で、半径は太陽の0.1 倍であり 表面温度は 3159 ケルビンで、スペクトル型は M4である。 この恒星の惑星系で GJ 3323 b は、恒星 GJ 3323 のまわりを 公転周期5.4 日で、 軌道長半径 0.03 天文単位 ( 4,909,802.1 km)で公転している。

GJ 3323 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/GJ_3323_bJP.html

Imaginary picture of GJ 3323 b

GJ 3323 bの想像図 
(Image Credit: Megumi Yokoyama, Habitable Research Group Moriyama Junior High School )

Proxima Centauri c

Proxima Centauri cは、2019年に視線速度法によって発見された、スーパーアースサイズの系外惑星です。推定半径は木星の0.16倍 (地球の1.8倍) 、推定質量は木星の0.03倍 (地球の9.54倍) です。中心星はProxima Centauri (太陽から約4.2光年、M型星) で、Proxima Centauri cは中心星から約1.5AUのところを一周約5.3年かけて回っています。また、その軌道は、居住可能性がありかつ地球からもっとも近い惑星として知られる、Proxima Centauri bの一つ外側にあります。Proxima Centauri c自体は、中心星のハビタブルゾーンから大きく離れていて、推定黒体温度が-231℃と低く、居住不可能と考えられています。

(※中心星Proxima Centauriについては、Proxima Centauri bの記事をぜひご覧ください!)

スーパーアースサイズの惑星は、通常、中心星のスノーライン付近で形成される、と考えられています。しかし、Proxima Centauri cの場合、Proxima Centauriのスノーラインは0.088AU付近にあり、Proxima Centauri cは中心星から約1.5AUにあるため、この考えを覆す惑星である、と言えます。一方で、この惑星は本当は存在しないのかもしれません。現在、ESAが打ち上げたガイアなどの宇宙望遠鏡が、Proxima Centauri cの存在を確認しようとしています。

(文責:白樫)

参考
1) Proxima Centauri c, ExoKyoto, http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Proxima_Centauri_cJP.html
2) “A second planet might orbit the closest star to the sun, and astronomers think it’s a super-Earth”, INSIDER,
https://www.businessinsider.com/super-earth-orbits-proxima-centauri-closest-star-to-sun-2020-1

 

Proxima centauri cの想像図(岩石惑星の場合その1)
(Image Credit: Yuna Watanabe, Habitable Research Group Moriyama Junior High School )

Proxima centauri cの想像図(岩石惑星の場合その2)
(Image Credit: Yuna Watanabe, Habitable Research Group Moriyama Junior High School )

Proxima centauri cの想像図(ガス惑星の場合)
(Image Credit: Yuna Watanabe, Habitable Research Group Moriyama Junior High School )