WASP-103 b
WASP-103 b は、太陽系から 1532.9 光年( パーセク)離れた恒星WASP-103 を周回する系外惑星で 2014 年に公開されました.
恒星 WASP-103 は視等級 12.0, 絶対等級 3.6 です.
この恒星は太陽の 1.2 倍の質量で、 半径は太陽の1.4 倍であり 表面温度は 6110 で、スペクトル型は F8Vです。
この恒星の惑星系で WASP-103 b は、恒星 WASP-103 のまわりを 公転周期0.9 日で、 軌道長半径 0.02 天文単位 ( 2969517.7 km)で公転しています。
WASP-103 bは、質量が木星の約1.5倍、半径が木星の約1.5倍のホットジュピターです。太陽系からは約1533光年離れたところにあります。スーパーWASPプロジェクトによりWASP-103に惑星があることが示唆され、その後2014年、TRAPPISTという望遠鏡でトランジット法により発見されました。
主星WASP-103(F型星)からの距離がわずか約0.02AUであるため、推定黒体温度が約2440Kとかなりの高温で、1日も経たないうちに公転してしまいます。また、WASP 103 bはホットジュピターの質量モデルから推定されるよりも低密度(約550kg/m3)と考えられています。これはWASP 103 b が主星から非常に多くの放射線を受けていること、公転する位置がRoche限界(主星の潮汐力が主星と惑星との引力とつり合うことができ、惑星が破壊されずにすむ距離の限界)にとても近く、潮汐破壊現象を起こしかけていることが関連していると考えられています。
このように潮汐破壊現象を起こしかけている惑星としては他にWASP 12 bやWASP 19 b、OGLE-TR-56 bがあります。これらの極限状態にあるホットジュピターは、ホットジュピターの最期を知る上で重要であると考えられており、焦点が集まっています。
(文責:白樫聖夢)
参考文献
[1] M. Gillon et al. “WASP-103 b: a new planet at the edge of tidal disruption”. A&A. 2014/02/05.
https://www.aanda.org/articles/aa/pdf/2014/02/aa23014-13.pdf, (閲覧日: 2022/03/21)
[2] WASP 103 b, ExoKyoto,
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/WASP-103_bJP.html, (閲覧日: 2022/03/18)
Imaginary Picture of WASP-103 b
Imaginary picture of WASP-103 b (Image credit: Miu Shimizu)
WASP-103 bについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/WASP-103_bJP.html