Imaginary Picture of Exoplanets of HD 110067 (Yuna Watanabe)
Imaginary Picture of HD 110067
この星は HD 110067 です。 恒星 HD 110067 は太陽系から 105.1 光年 (32.2 パーセク) 離れています。恒星 HD 110067 は視等級 8.4, 絶対等級 5.9 です。また太陽の 0.8 倍の質量と、 0.8 倍の半径です。 表面温度は 5266ケルビンで、スペクトル型はK0V です。
HD110067は、太陽の8割弱の質量と半径を持つ恒星で、地球からかみのけ座の方向に約100光年離れた位置にある8等級のK型主系列星である。K型主系列星とは、恒星の分類法の一つであるスペクトル型がK、光度階級がVの、核で水素の核融合反応を起こしている主系列星であり、橙色惑星とも呼ばれている。
Wikipediaより引用
2023年に、周囲を6個の太陽系外惑星が公転していることがトランジット法による観測から確認された。トランジット法とは、周囲を公転する惑星が周期的に主星の手前を通過することにより生じる、主星の明るさの周期的な光度変化から惑星を発見する観測方法である。HD11067は、トランジットを起こす惑星を4個以上持つことが知られている恒星としては最も明るい。また、定かではないが、形成から約81億年が経過しているとされ、金属量は太陽の63%となっている。さらに、HD 110067 はヘンリー・ドレイパーカタログにおける名称であるが、この恒星は太陽系外惑星探索衛星であるTESSの観測により、周囲を公転する惑星候補が検出されていたため、TESS object of interest (TOI) におけるカタログ番号として TOI-1835 という名称も付与されている。
宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による世界的な連携観測によって、太陽系から約100光年離れた恒星HD 110067の周りで6つのトランジット惑星を発見した。またこの6つの惑星は、全ての隣り合う惑星同士の公転周期が簡単な整数比で表される尽数関係にある。
HD110067の内側を公転する惑星は、TOI-1835.03(のちにHD110067b)、TOI-1835.04(のちにHD110067c)と呼ばれている。また、ESAによって約20.52日の周期で公転するHD110067dが発見され、その後、HD 110067 d の公転周期と2:3の尽数関係にある公転周期が約30.79日の HD 110067 e が存在していることが見出された。その後、公転周期が約41.06日の HD 110067 f、約54.77日の HD 110067 g の存在が確かめられた。HD 110067 e と HD 110067 f、そして HD 110067 f と HD 110067 g はいずれも公転周期の比が3:4の尽数関係にあり、6個の惑星全体の公転周期の比を見ると、9:12:16:24:36:54の尽数関係にあるということになる。
この惑星系は、惑星がどのように形成したかを考える上で貴重な惑星系となるほか、それぞれの惑星大気の観測が行われれば、惑星の大気獲得過程や恒星からの光が惑星大気の散逸や化学進化に与える影響の理解につながると期待される。
発見された6つの惑星の位置を一定の時間間隔で繋いだ線が作る幾何学模様
クレジット:Thibaut Roger/NCCR PlanetS、CC BY-NC-SA 4.0
HD110067系の想像図の全貌(Yuna Watanabe)
【参考文献】
東京大学、「共鳴し合う6つ子の惑星を発見――全ての隣り合う惑星の公転周期が尽数関係を持つ惑星系HD 110067―」:
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/z0109_00101.html
Wikipedia「HD 110067」:https://ja.wikipedia.org/wiki/HD_110067
Sorae, 「「HD 110067」に共鳴し合う6つの惑星を発見 惑星科学における重要な “化石”」:
https://sorae.info/astronomy/20231210-hd110067.html
Yahoo News, 「6つの惑星が「軌道共鳴」状態にある恒星系、100光年先で新たに発見」:https://news.yahoo.co.jp/articles/60006f29da1de5f15dac66c2d4cf5956624aebf9
(文責:新原)
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