Imaginary picture of Kepler-1625 and its exoplanet (Yui Nagato)
Imaginary picture of Kepler-1625 b
Kepler-1625 b は、太陽系から 7587.4 光年( パーセク)離れた恒星Kepler-1625 を周回する系外惑星で 2016 年に公開されました。恒星 Kepler-1625 は視等級 14.4, 絶対等級 2.5 です。この恒星は太陽の 1.0 倍の質量で、 半径は太陽の1.8 倍であり 表面温度は 5586 で、スペクトル型は G5です。この恒星の惑星系で Kepler-1625 b は、恒星 Kepler-1625 のまわりを 公転周期287.4 日で、 軌道長半径 0.84 天文単位 ( 125774415.6 km)で公転しています。
Kepler-1625 bはNASAのKepler宇宙望遠鏡が発見した2,662個の太陽系外惑星の内の1つで、地球から8000光年離れたKepler-1625を周回する木星サイズの巨大ガス惑星です。ガス惑星であることからこの惑星はハビタブルな惑星ではありませんが、ハビタブルゾーン周辺に位置しています。
Credits: ExoKyoto(http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1625_bJP.html)
Kepler宇宙望遠鏡のトランジットのデータが詳細に解析されたところ、2018年にKepler-1625 bが通過した直後に別の微弱なトランジットのシグナルが見つかり、Hubble宇宙望遠鏡でも追跡研究が行われ、このシグナルはKepler-1625 bを周回する月である可能性が示され、太陽系外惑星の月(Exomoon)候補として、Kepler-1625 b Iと名付けられています。ただ、Kepler-1625 b Iのトランジットのシグナルは微弱であるため、追跡研究において実験上のノイズの可能性も指摘されており、確定はされていません。今後、James Webb宇宙望遠鏡による詳細な観察により、初の太陽系外衛星の確定が期待されています。
Kepler-1625 b Iが存在する場合は、海王星サイズのガス衛星だと考えられています。ガス衛星ですので、この衛星もハビタブルな環境は期待できませんが、シミュレーションを用いたKepler-1625 b やKepler-1625 b Iに関する研究も進められており、月であるKepler-1625 b Iにさらに、地球サイズの月が存在する可能性も示されています。その月は岩石衛星であり、ハビタブルゾーン付近に存在するハビタブルな月である可能性があり、地球外生命体の存在も期待されます。
Credits: NASA
(https://exoplanets.nasa.gov/news/1525/new-moon-astronomers-find-first-evidence-of-a-possible-moon-outside-our-solar-system/)
Exomoon候補であるKepler-1625 b Iについてはまだ未確定で、その月となるとさらにシミュレーションの域を超えませんが、私たちが住む太陽系を考えてみると、水星と金星以外は月を有しているので、惑星にとって月はありふれた存在だと言えると思います。James Webb宇宙望遠鏡による更なる観察によって、初の太陽系外衛星が確定されることを期待しています。
Kepler-1625とその惑星、衛星、衛星の周りを公転する星の想像図(Yui Nagato)
Kepler-1625 bの衛星の周りを公転する星の地上から見た想像図(Yui Nagato)
(文責:小塚)
<参考>
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1625_bJP.html
https://academic.oup.com/mnras/article-abstract/510/2/2583/6498286?redirectedFrom=fulltext
https://arxiv.org/pdf/1810.02712.pdf
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