GJ 273 b は、太陽系から 12.4 光年( 3.80パーセク)離れた恒星GJ 273 を周回する系外惑星で 2017 年に公開された. 恒星 GJ 273 は視等級 9.9, 絶対等級 12.0 である. この恒星は太陽の 0.3 倍の質量で、 半径は太陽の0.3 倍であり 表面温度は 3382 ケルビンで、スペクトル型は M3.5である。
この恒星の惑星系で GJ 273 b は、恒星 GJ 273 のまわりを 公転周期18.6 日で、軌道長半径 0.09 天文単位 ( 13,628,515.6 km)で公転している。
GJ273は又の名をルイテン星といい、こいぬ座方向に見える、地球から12.4光年離れた赤色矮星です。赤色矮星は非常に暗くて小さな恒星で、少ない燃料をゆっくり消費してゆるやかに核融合反応を行なっています。GJ273の半径、質量はともに太陽の0.3倍ほどと小さく、表面温度は約3000℃で、太陽の表面温度6000℃と比べて低温です。
GJ273のスペクトルをHARPS分光器で2003年から14年間にわたって観測したところ、惑星を2つ持つことが発見されました。これらの惑星のうち、外側を回るものがGJ273bです。GJ273bは公転周期が約19日、質量は地球の約3倍です。GJ273bは主星から0.09AUの距離を公転しています。(太陽と地球の間の距離を1AUといいます。)GJ273の大きさや温度から計算すると、GJ273bには液体の水が存在する可能性があり、生命が存在するかもしれません。
GJ273bは現在見つかっている中では、プロキシマbに次いで二番目に地球から近いハビタブル惑星です。地球との電波交信にかかる時間はたった25年と短い(?)ので、地球の音楽を送信するプロジェクト“Sónar Calling GJ273b”が現在進行しています。2017年10月にノルウェーにあるEISCAT科学協会のアンテナから発信された音楽の信号は、2030年3月11日にGJ273bに到達する見込みです。もしGJ273bに住む知的生物が、地球からの電波をキャッチして音楽を楽しんでくれたら嬉しいですね。
(文責 大山航 木村なみ)
参考文献
(1)The HARPS search for southern extra-solar planets XLI. A dozen planets around the M dwarfs GJ3138, GJ3323, GJ273, GJ268, and GJ3293
N. Astudillo-Defru1,2, T. Forveille2, X. Bonfils2, D.S'egransan1, F.Bouchy1, X. Delfosse2, C Lovis1, M. Mayor1, F. Murgas2, F. Pepel1, N.C. Santos3,4 S Udry1, A.Wunsche2
(2) http://phl.upr.edu/projects/habitable-exoplanets-catalog
(3) exokyoto
(4) https://www.sonarcalling.com/en/
GJ 273 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。