55 Cancri e

55 Cancri e

(クレジット:Rina Maeda & SGH Moriyama High School)

55 Cnc e は、太陽系から 40.2 光年( パーセク)離れた恒星55 Cnc を周回する系外惑星で 2004 年に公開されました。恒星 55 Cnc は視等級 6.0, 絶対等級 5.5 です。この恒星は太陽の 1.0 倍の質量で、 半径は太陽の1.0 倍であり 表面温度は 5196 で、スペクトル型は K0IV-Vです。この恒星の惑星系で 55 Cnc e は、恒星 55 Cnc のまわりを 公転周期0.7 日で、 軌道長半径 0.02 天文単位 ( 2309641.5 km)で公転しています。

 

かに座-55eは地球から約40光年離れた、かに座55番星Aを公転する系外惑星です。かに座方向の夜空を眺めれば、肉眼でも観ることができます。質量は地球の8.1倍、直径は1.99倍の地球型惑星であり、いわゆるスーパーアース(巨大地球型惑星)です。ドップラー分光法で2004年8月30日に発見されました。

この惑星は、惑星質量の3分の1以上がダイヤモンドであり、表面はダイヤモンドと黒鉛で覆われているため、ダイヤモンド惑星とも呼ばれています。内部のダイヤモンドは地球上で見られるものより純度が非常に高いとされています。さらに深層部では、液体状態のダイヤモンドが存在している可能性があるとも言われています。

このかに座-55eは主星からの距離が233万㎞と非常に近く、公転周期が17時間41分、表面温度約2,000Kと推定されています。最近の発見によると、この惑星の大気は水素を多く含み、水蒸気が殆ど無い一方、シアン化水素を豊富に含むそうです。高温という条件に加えて、毒ガスであるシアン化水素が多く存在するため、生命が存在する可能性は低いかもしれません。また、主星との距離が近すぎるために、将来主星の重力によって潮汐破壊されるのではないかと考えられています。

(文責:高木風香)
(修正担当:野津湧太)

55 Cancri e の詳しい情報はこちら。
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/55_Cnc_eJP.html

Beta Pictoris b がか座β星b

<Beta Pictoris b がか座β星b の想像図>

beta Pic b は、太陽系から 63.4 光年( パーセク)離れた恒星beta Pic を周回する系外惑星で 2008 年に公開されました。恒星 beta Pic は視等級 3.9, 絶対等級 2.4 です。この恒星は太陽の 1.7 倍の質量で、 半径は太陽の1.4 倍であり 表面温度は 8100 で、スペクトル型は A6Vです。この恒星の惑星系で beta Pic b は、恒星 beta Pic のまわりを 公転周期7707.0 日で、 軌道長半径 9.93 天文単位 ( 1485506856.1 km)で公転しています。

がか座β星bは、地球から63光年離れた、がか座β星から13.18天文単位離れた軌道を公転する惑星です。その大きさは木星の1.65倍、質量は木星の7倍で、2008年にヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)で惑星からの光を直接捉える直接撮像によって発見されました。惑星が自転するとき、ドップラー効果で惑星表面のうち観測者から遠ざかる部分からの光の波長は長く、反対に近づく部分からの光の波長は短くなります。この波長の変化(ドップラーシフト)を分光観測によって求めた結果、がか座β星bは8時間の周期で自転しており、赤道面での自転速度は時速100,000kmであることがわかりました。地球の自転速度は時速1,700km、木星は47,000kmで、太陽系の惑星は質量が大きいほど自転が速い傾向にあります。がか座β星bにも太陽系の惑星と同じ傾向が当てはまることから、この惑星質量と自転速度の関係が普遍的であることが示唆されます。

がか座β星の年齢は2000千万年と若く、その周りには1000天文単位にわたり塵円盤が広がっていて、まさに惑星形成が進行中の惑星系と言えます。惑星は時間経過とともに冷えて収縮すると考えられているので、がか座β星bの自転はこれによってさらに速くなると予想されます。
またこの惑星系では系外彗星が確認されていて、フランスの研究チームが行った493個の彗星の調査から、軌道が巨大惑星との重力相互作用を受けて様々な軌道を持つ古い彗星群と、もともとは1つの天体だったものが崩壊して多数の彗星になった群の2つの群が存在することがわかりました。前者の彗星群ではガスやダストの放出といった彗星活動が活発でないことから、何度も中心星の近くを通過して氷などの揮発性物質がすでに枯渇していると考えられています。後者の群では彗星活動が活発で、ほぼ同一の軌道を周っていることから、一つの大きな天体が分裂して生まれた群であると考えられます。
がか座β星系のような進化途中の若い惑星系は、45億年前に太陽系で何が起きていたかを知る上で非常に重要な研究対象です。

<文責:山中陽裕>

beta Pic b についての詳しい情報は以下のデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/beta_Pic_bJP.html

参考文献

http://www.eso.org/public/news/eso1414/

http://www.nature.com/nature/journal/v509/n7498/full/nature13253.html?foxtrotcallback=true

http://www.eso.org/public/news/eso1432/

Kepler-35(AB) b

(Kepler-35AB bの想像図 前田理那 SGH守山高校ハビタブル研究会)

Kepler-35bは地球から約5,365光年の距離にあり、はくちょう座の中にある巨大ガス惑星です。2012年にケプラー宇宙望遠鏡により発見されました。Kepler-35bは質量が本星の1/8、半径が地球の約8倍で土星サイズのガス惑星と考えられています。

Kepler-35bの注目すべき点は、周連星惑星(連星の周りを回る惑星)だということです。Kepler-35bの主星は両者ともG型星、太陽よりもやや小さな星で共通重心の回りを20日かけて公転し、その外側をKepler-35bが131日かけて公転しています。

周連星惑星は主星が1つの惑星と比べて軌道が安定しないため長い間その存在が議論されてもましたが、2011年にケプラー宇宙望遠鏡で周連星惑星Kepler-16bが発見されたことを皮切りに少しずつ発見され始めており、現在では主星を3つ、4つもつ惑星も発見されています。

Kepler-35(AB)bの主星であるKepler-35A、Kepler-35Bは両者とも太陽よりもやや小さいG型星(G型というのは恒星の分類法のー種で太陽もG型星に分類されます)で、互いに共通な重心の周りを20日かけて公転しています。

Kepler-35bには生命が存在するのでしょうか。Kepler-35bは木星や土星のようなガス惑星なので地球と同じような生命がいるとは考えにくいですが、ひょっとしたらアメリカの天文学者カールセーガン博士が想像したような気球形の生物なんかがいるのかもしれません。また、ガス惑星のまわりに巨大岩石衛星が存在する可能性も高く、そこに我々のような生命が存在するかもしれません。

銀河系内には周連星惑星が数百万個存在すると現在では考えられています。その中に生命を宿している惑星は存在するのでしょうか。

太陽が2つ連行する世界の生命、そんなものがいると考えるだけでもわくわくしますね。

(梨元昴・山敷庸亮)

Kepler-35 bについての情報は こちらから

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-35_(AB)_bJP.html

GJ 1132b


(GJ1132bの想像図   画:清水海羽 守山高校ハビタブル研究会)

 

これまでにたくさんの系外惑星が発見され、その幾つかには大気が存在することがわかってきました。しかし、それらはいずれも木星のような巨大ガス惑星でした。ところが、今回大気の存在が確認されたGJ1132bは、地球とほとんど同じ大きさの「地球型惑星」です。地球から39光年先にあるM型星GJ1132を周回するこの惑星は、地球のおよそ1.4倍のサイズと1.6倍の質量を持っています。なお、この惑星は2015年にすでに発見されており、金星と似た惑星ではないかと推測されていました。

では、一体どうしてこの惑星が大気を持っているとわかったのでしょうか。系外惑星の大気の観測は、「トランジット観測」という手法を用いて行われます。これは、恒星の前を惑星が横切った際に、我々観測者に届く恒星からの光が遮られて弱くなる現象を利用した手法です。横切る惑星のサイズが大きいほど、この減光率は大きくなります。太陽系で言えば、月や金星が太陽からの光を隠す現象、すなわち「日食」にあたります。(つい先日、アメリカ大陸での日食が話題になりましたね)ところが、この減光率が観測する光の波長によって異なる場合があります。これは、光の波長によって惑星が遮る領域のサイズが異なることを意味します。つまり、ある波長の光は透過し、別の波長の光は通さないような物質が、惑星の表面に纏わり付いていると考えられるのです。そのような物質は、ガス、つまり大気であると考えるのが妥当でしょう。

今回、様々な波長の光でGJ1132bによるGJ1132の減光率を観測した結果、全波長で平均した「惑星大気の半径」は1.43±0.16地球半径であるのに対して、固体部分(つまり惑星の「地表」)の半径は約1.375地球半径であるとわかりました。さらに、特定の波長の「惑星大気の半径」が大きいことから、この厚い大気は水蒸気とメタンを含んでいることがわかりました。

このような、大気(しかも水蒸気とメタンを含む)と地表を持った地球型惑星には、生命が存在しているかもしれません。しかし、残念ながらGJ1132bの表面温度は370℃もあると推測され、生命が存在するのは難しそうです。一方で、M型星は地球の周りにたくさん存在しており、似たような惑星が今後見つかることが期待されます。
(文責:芝池諭人)

GJ 1132 bについての詳しい情報
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/GJ_1132_bJP.html

参考文献
The Astronomical Journal (2017): “Detection of the Atmosphere of the 1.6 M_⊕ Exoplanet GJ1132b” John Southworth1, Luigi Mancini, Nikku Madhusudhan, Paul Mollière, Simona Ciceri, and Thomas Henning (http://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/aa6477/meta)
BBS NEWS, Science & Environment: Atmosphere found around Earth-sized planet GJ 1132b (http://www.bbc.com/news/science-environment-39521344)
sorae.jp,天文: 地球サイズの系外惑星「GJ1132b」に大気 水の存在の可能性も(http://sorae.jp/10/2017_04_07_taiki.html)


(ExoKyoto Stellar Mapを用いて表示したGJ 1132 bの位置)


(ExoKyoto Stellar Mapを用いて表示したGJ 1132 bの位置 Zoom Level 3)

KELT-9 b

(Imaginary Picture of KELT-9 b and its host star KELT-9 (HD195689), credit: Miu Shimizu, Habitable Research Unit – SGH Moriyama High School)
(KELT-9 b と主星KELT-9 (HD195689) の想像図 守山高校ハビタブル研究会 清水海羽 画)

惑星と聞けばまずは、我々の住む地球のような環境、もしくは火星や木星など、太陽系の仲間たちを想像します。実際に、発見が話題になる系外惑星は、地球に似ているものや、水の存在が期待されるものが多いように感じます。それはもちろん、地球に似た環境ならば生命の存在が期待されるからですが、系外惑星の中には、我々の知る惑星環境とはかけ離れているからこそ面白いものもたくさんあります。

KELT-9 bは、恒星に匹敵するほど熱い惑星として話題になりました。はくちょう座の方向、650光年先のA型星 KELT-9 の周りを周期1.48日で公転しており、質量と半径はそれぞれ木星の2.9倍と1.9倍ほどの、巨大ガス惑星です。約1万度という主星の表面温度の高さ(太陽でも約6千度)と、そこから0.03 au しか離れていない公転軌道の近さ(水星軌道の10分の1以下)ゆえ、この惑星の表面はかなりの高温になっていることが予想されます。

実際に、惑星が主星の後ろ側に隠れる場面を観測した結果、この惑星の昼側は4600 Kという、惑星のイメージを覆すほどの高温環境であることがわかりました。我々の太陽系を含む天の川銀河にある恒星の7割以上を占めると言われるM型星でも、その表面温度は4000度に達しません。つまり、KELT-9 b は惑星でありながら、多くの恒星よりも熱い大気を持っていることになります。この温度になると、水や酸素、二酸化炭素など、惑星の大気には馴染み深い “分子” が存在できないため、この惑星の大気は原子が主成分になっていると考えられます。これまで常識だった「分子を主成分とする惑星大気」とはまったく違う、しかし内側に熱源を持つ恒星の大気とも異なる、全く新しい未知の大気です。

さらに、主星の極端紫外線(波長が91.2nm未満の非常に高エネルギーの電磁波)の放射が非常に強く、ただでさえ高温のために膨らんだ惑星大気を吹き飛ばし続けていると予想されます。その量は低く見積もっても1秒間に1万トン以上という勢いで、吹き飛ばされた大気は彗星の尾のようにたなびいて見えるかもしれません。

また、もうひとつこの惑星が面白い点は、主星の自転軸と惑星の公転軸が90度近く傾いた、極軌道にあることです。主星と同時に惑星が生まれる場合、通常は主星の自転軸と惑星の公転軸が平行になるはずですが、他の惑星との重力相互作用などいくつかの原因によって、このような変わった軌道に落ち着いた可能性があります。

今後、ハッブル宇宙望遠鏡 (HST) や、2018年に打ち上げが予定されるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 (JWST) などの観測によって、大気流出の様子や大気の成分の調査が期待されます。これまであまり調べられてこなかった、高温の星を回る惑星の一生についての、新たな知見につながるかもしれません。

KELT-9 b を発見したKELTサーベイは、これまでのトランジット法による惑星探査計画では明るすぎて調べられなかった恒星をターゲットとし、小型の望遠鏡を用いて全天を探査するプロジェクトです。今回の発見には、日本の成田憲保氏と福井暁彦氏も参加しています。
(文責 石川 裕之 (総合研究大学院大学・国立天文台))
(修正担当 佐々木貴教)

KELT-9 bははくちょう座に位置し、Kepler観測領域の近くにある。主星KELT-9 (HD 195689) は視等級 7.6 スペクトル A0型の星で、太陽系から615 光年離れている。肉眼や双眼鏡でも観測できる星であるので、夏の大三角形とともに機会があれば探してみてはいかがだろうか?


(ExoKyoto Stellar Windowを用いて天球上に表示したKELT-9b & KELT-9 (HD195689), (Kepler領域の星も参考までに表示) )
KELT-9 b の詳しい情報はこちら。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/KELT-9_bJP.html

LHS 1140b

LHS 1140b は、くじら座に位置し、太陽系から約40.7光年離れたところにある M 型矮星(質量が太陽の 14.6% ほど)の周りを回る super-Earth です。中心星周りのハビタブルゾーンとよばれる領域に位置しており、液体の水の存在、ひいては地球外生命の存在まで期待される地球型惑星のひとつです。

この惑星は MEarth (注1)とよばれる天文台で、太陽よりも小さな恒星の周りで惑星を探すプロジェクトにより、トランジット法を用いて発見されました。その後 HARPS (注2)とよばれる観測装置を用いて、視線速度法による観測も行われました。2017年4月20日号のNature誌に掲載されました。 トランジット法では惑星の半径が、視線速度法では惑星の質量が求まります。これら2つの観測結果を合わせることで、惑星の密度を推定することが可能となります。(詳しくは「系外惑星の探し方」をご参照ください)

これらの観測により、LHS 1140b は質量が地球の 6.65 倍、半径が地球の 1.43 倍であると求まりました。さらに、そこから推定された密度は 12.5 g/cm3 とかなり大きく、鉄や岩石などを主成分とした惑星であること、および軽い大気成分をあまりまとっていないこと、がわかりました。また、公転周期(つまり1年間の長さ)は 24.7 日ほどで、離心率(楕円の程度)は 0.29 以下であることもわかりました。

これまでにも太陽系の近く(数十光年以内)の M 型矮星周りで、ハビタブルゾーンに位置する地球サイズの惑星はいくつか発見されています。しかし、太陽系に最も近い M 型矮星の周りを回る Proxima Centauri b は、視線速度法による観測しかないため質量は下限値しか求まっておらず、また密度もわかっていません。一方で、大きな話題を呼んだ TRAPPIST-1 系の惑星については、トランジット法による観測しかないため、質量や密度の推定にはまだ大きな不確定性が残っています。今回の LHS 1140b は、初めて岩石惑星であることが「確定」された太陽系近傍のハビタブルプラネットだと言えるでしょう。

(image credit: Fuka Takagi, Yosuke A. Yamashiki, Natsuki Hosono)

(image credit: Miu Shimizu, Habitable Research Group, SGH Moriyama High School)

ところで、LHS 1140b は現在の中心星周りのハビタブルゾーンに位置してはいますが、実は過去の若い中心星(活動が激しい)のもとでは入射してくるエネルギー量が大きすぎて、いわゆる「暴走温室状態」にあったと予想されます。そうすると表面の水は全て蒸発し、光解離を経て宇宙空間に散逸してしまうため、表面に液体の水を残すことは困難となります。

ただし super-Earth の場合は、「マグマオーシャン」とよばれる表面がドロドロに溶けていた時代がかなり長く続いた可能性が指摘されており、もしこれが正しいならばマグマオーシャン中に長期間水を溶かし込んでおくことができたかもしれません。そうすれば、中心星の放射エネルギーが小さくなった頃にマグマオーシャンから水を取り出してあげることで、現在も適度な量の水を保持する環境が実現されている可能性があります。いずれにせよ、今後の詳細な観測によって水の存在の有無を調べることが重要です。

ちなみに、これまでに M 型矮星周りで見つかっている地球型惑星は、ほとんどが複数惑星系を成しています。LHS 1140 周りにも、今回発見された super-Earth 以外に、まだ見つけられていない他の小さな地球型惑星が複数存在している可能性は高いと考えられます。こちらも今後の追観測に期待しましょう。

LHS 1140 b に関する詳しい情報は以下のデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/LHS_1140_b.html

(文責:佐々木貴教)

参考文献
Jason A. Dittmann et al., A temperate rocky super-Earth transiting a nearby cool star, Nature 544, 333-336.
http://www.nature.com/nature/journal/v544/n7650/full/nature22055.html

注1: MEarth は、アメリカ国立科学財団が設立した太陽系外惑星を探査するための天文台です。観測システムは口径 40cm の望遠鏡 8 台から構成され、自動で約 2000 個の恒星の変光を監視しています。(参考:Wikipedia

注2:HARPS は、ヨーロッパ南天天文台 (ESO) が2003年から運用している太陽系外惑星の観測装置です。チリのラ・シヤ天文台にある 3.6m 望遠鏡に設置された分光器を用いて観測が行われています。(参考:Wikipedia

ExoKyoto Stellar Screen で表現したLHS1140恒星系の位置

ExoKyoto Stellar Screen で表現したLHS1140恒星系の位置

LHS1140bは上記のように、岩石惑星で、大気をそれほどまとわず、ハビタブル・ゾーンの少し外側にある。ExoKyotoを用いて温度を推定すると、推定温度 230K となり、もし暴走温室状態を耐えてある程度の水が惑星表面にのこっていたとすると、海洋惑星ではなく雪玉惑星となっている可能性もあるだろう(山敷)

(image credit: Ryusuke Kuroki, Yosuke A. Yamashiki, Natsuki Hosono)

また、主星との距離が近いため、潮汐ロックされている可能性もある。その場合、昼半球は干上がり、夜半球は水(氷)が残っている可能性がある。

(image credit: Fuka Takagi, Yosuke A. Yamashiki, Natsuki Hosono)

LHS 1140星のハビタブル・ゾーンは以下の位置にあります。
Inner Boundary (the orbital distance at Venus’s Equivalent Radiation ) : 0.038 AU ( 5,619,613.2 km)
内側境界(金星相当放射を受ける軌道半径): 0.038天文単位( 5,619,613.2 km)
Earth Boundary (the orbital distance at Earth’s Equivalent Radiation) : 0.052AU ( 7,767,774.0 km)
地球境界(地球相当放射を受ける軌道半径): 0.052天文単位(7,767,774.0 km)
Outer Boundary (the orbital distance at Mars’s Equivalent Radiation) :0.079 AU ( 11,836,368.5 km)
外側境界(火星相当放射を受ける軌道半径): 0.079天文単位(11,836,368.5 km)
Snow Line (the orbital distance at Snow Line Equivalent Radiation) : 0.116 AU ( 17,417,734.8 km)
スノーライン(スノーライン(雪線)相当放射を受ける軌道半径): 0.116 天文単位(17,417,734.8 km)
Radiation at Planetary Boundary of LHS 1140 b : 481.60W/m2

LHS 1140 b 惑星境界での中心星からの放射 481.60 W/m2
(Habitable zone calculated based on SEAU(Solar Equivalent Astronomical Unit) around the LHS 1140 b)

 

(太陽系相当天文単位(SEAU) を用いたLHS 1140 のハビタブル・ゾーン)

Original Kopparapu Recent Venus for LHS 1140  distance : 0.042 AU
Kopparapu et al. 2013 (Originalな係数セット) による、現在の金星位置条件に対応する半径 : 0.042天文単位
Original Kopparapu Runaway Greenhouse for Star LHS 1140 distance : 0.056 AU
Kopparapu (Original) による、暴走温室限界半径 : 0.056 天文単位
Original Kopparapu Moist Greenhouse for Star LHS 1140 distance : 0.056AU
Kopparapu (Original) による、湿潤温室限界半径 : 0.056 天文単位
Original Kopparapu Outer Boundary for Maximum Greenhouse for Star LHS 1140 distance : 0.109AU
Kopparapu (Original) による、(火星相当惑星の)最大温室効果半径 : 0.109 天文単位
Original Kopparapu Outer Boundary for Early Mars for Star LHS 1140 distance : 0.113 AU 
Kopparapu (Original) による、太古の火星条件に相当する半径 : 0.113 天文単位

(Habitable zone calculated based on Kopparapu et al.(Original) around the star LHS 1140)

Kopparapu et al.2013 (ORIGINAL Coef) を用いたLHS 1140 のハビタブル・ゾーン


ExoKyoto Individual Screen で表示したLHS 1140 bとその想像図(雪玉惑星)

ジャーナル記事

1.) A temperate rocky super-Earth transiting a nearby cool star

2.) A Search for Exomoons and TTVs from LHS 1140b, a nearby super-Earth orbiting in the habitable-zone of an M dwarf

 

WEB記事

1.) Newly Discovered Exoplanet May be Best Candidate in Search for Signs of Life

2.) Welcome to LHS 1140b: A Super-Earth in the Habitable Zone

3.) Exoplanet LHS 1140b may be most habitable yet found