Imaginary Picture of HD 260655 b
HD 260655 b は、太陽系から 32.6 光年( パーセク)離れた恒星HD 260655 を周回する系外惑星で 2022 年に公開されました.
恒星 HD 260655 は視等級 9.8, 絶対等級 9.8 です.
この恒星は太陽の 0.4 倍の質量で、 半径は太陽の0.4 倍であり 表面温度は 3803 で、スペクトル型は MOVです。
この恒星の惑星系で HD 260655 b は、恒星 HD 260655 のまわりを 公転周期2.8 日で、 軌道長半径 0.03 天文単位 ( 4387705.5 km)で公転しています。
HD 260655 bは、質量が地球の約2.14倍、半径が地球の約1.24倍のスーパーアースです。主星HD 260655(M型星、赤色矮星)から約0.03AUのところを約2.77日かけて公転します。HD 260655 bの黒体温度は推定約649Kで、熱すぎるため生命が存在する可能性は低いと考えられています。
主星HD 260655(M型星)の周りにはもう一つHD 260655 cという岩石惑星が公転していますが、2つともTESS missionの中でトランジット法により発見されました。また、HIRESとCARMENESによる観測も行われ、そのときは視線速度法によって分析されました。
HD 260655は太陽系からの距離が約10 pc(約32.6光年)と比較的近いところにあり、複数惑星を持つと知られている赤色矮星の中で、HD 219134(約21.3光年)、LTT 1445 A(約22.5光年)、AU Mic(約31.9光年)に続き4番目に近いものになっています。しかも赤色矮星の中でも、AU Mic(J = 5.436mag)に続き2番目に明るい (J = 6.7 mag)星です。主星が近くてかつ明るいため、HD 260655 b、HD 260655 cは大気の観測に最適だと考えられています。最近運用され始めたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測結果には、岩石惑星の大気についてより多くの知見が得られるのではないか、と期待が寄せられています。
(文責:白樫 聖夢)
HD 260655 bについてもっと知りたい方は、以下のデータベースページをご覧ください。
参考文献
[1] HD 260655 b, ExoKyoto,
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/HD_260655_bJP.html, (閲覧日:2022/07/20)
[2] R. Luque et al., “The HD 260655 system: Two rocky worlds transiting a bright M dwarf at 10 pc”, A&A, 2022/04/22, https://arxiv.org/abs/2204.10261, (閲覧日:2022/07/19)
[3] AU Mic, simbad,
http://simbad.u-strasbg.fr/simbad/simbasic?Ident=AU+MIC&submit=SIMBAD+search,(閲覧日:2022/07/20)