カテゴリー: 系外惑星の紹介

Kepler-1455 b

Kepler-1455 b は、太陽系から 1278.5 光年(392パーセク)離れた恒星Kepler-1455 を周回する系外惑星で 2016 年に公開された. 恒星 Kepler-1455 は視等級 13.8, 絶対等級 5.8 である. この恒星は太陽の 0.6 倍の質量で、 半径は太陽の0.6 倍であり 表面温度は 4075ケルビン で、スペクトル型は K7である。 この恒星の惑星系で Kepler-1455 b は、恒星 Kepler-1455 のまわりを 公転周期49.3 日で、 軌道長半径 0.22 天文単位 ( 33,555,002.8 km)で公転している。

Kepler-1455 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1455_bJP.html

Kepler-1544 b

<Imaginary Picture of Kepler-1544 b, © 2018 ExoplanetKyoto- Chise Hatsuoka, SGH Moriyama High School>

[Imaginary Picture of Kepler-1544 b, Fuka Takagi & Yosuke A. Yamashiki ]

Kepler-1544 b ははくちょう座に位置し、太陽系から 1138.3 光年( 349パーセク)離れた恒星Kepler-1544 を周回する系外惑星で 2016 年に公開された. 恒星 Kepler-1544 は視等級 12.5, 絶対等級 4.8 である. この恒星は太陽の 0.8 倍の質量で、半径は太陽の0.7 倍であり 表面温度は 4886 ケルビンで、スペクトル型は K2である。この恒星の惑星系で Kepler-1544 b は、恒星 Kepler-1544 のまわりを 公転周期168.8 日で、 軌道長半径 0.56 天文単位 ( 83,360,644.2 km)で公転している。

この惑星の半径は地球の約1.8倍と考えられており、アルベドを0.3と仮定して計算される黒体温度(248K)も地球の計算値(255K)に近いため、大陸と水が存在する可能性がある。この惑星の表面に関して、PlanetExplorerより以下のような想像動画が投稿されていますが、果たして実際はどんなところでしょうか?

Kepler-1544 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1544_bJP.html

Kepler-1593 b

Kepler-1593 b は、太陽系から 2462.5 光年(755 パーセク)離れた恒星Kepler-1593 を周回する系外惑星で 2016 年に公開された. 恒星 Kepler-1593 は視等級 14.2, 絶対等級 4.8 である. この恒星は太陽の 0.8 倍の質量で、半径は太陽の0.8 倍であり 表面温度は 4995ケルビン で、スペクトル型は K2である。この恒星の惑星系で Kepler-1593 b は、恒星 Kepler-1593 のまわりを 公転周期174.5 日で、 軌道長半径 0.57 天文単位 ( 85,226,281.6 km)で公転している。

Kepler-1593 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1593_bJP.html

Kepler-1606 b

(Imaginary Picture of Kepler-1606 b by Mr. Daichi Ogawa, SGH Moriyama High School)

Kepler-1606 b はこと座に位置し、太陽系から 2870.2 光年( 880パーセク)離れた恒星Kepler-1606 を周回する系外惑星で 2016 年に公開された. 恒星 Kepler-1606 は視等級 13.9, 絶対等級 4.2 である. この恒星は太陽の 0.9 倍の質量で、半径は太陽の0.9 倍であり 表面温度は 5422 で、スペクトル型は G7である。この恒星の惑星系で Kepler-1606 b は、恒星 Kepler-1606 のまわりを 公転周期196.4 日で、 軌道長半径 0.64 天文単位 ( 95,519,566.6 km)で公転している。

Kepler-1606 bの半径は、地球の2.0737倍(木星の0.185倍)と見積もられている。重さはわかっておらず、もし岩石惑星であるなら地球の10倍以上あるはずだが、その大きさから海王星型惑星であると考えられており、ExoKyotoの見積もりでは重さは地球の5.1985倍である。ハビタブルゾーンに位置するが、暴走温室限界のやや内側に位置するため、海があったとしても蒸発している可能性もある。

Kepler-1606 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1606_bJP.html

Kepler-1638 b

Kepler-1638b は NASAのKepler宇宙望遠鏡が発見した1284個(2016年公表)の系外惑星のひとつです。Kepler 宇宙望遠鏡はトランジットとよばれる手法を用いて系外惑星を探していますが,この方法で惑星を発見した場合,その惑星のサイズを推定することができます(詳しくはこちら→http://www.exoplanetkyoto.org/study/method/)。Kepler-1638b の半径は地球の1.87倍(Molton et al. 2016),また,軌道長半径(主星であるKepler-1638と惑星であるKepler-1638bの距離)は0.745 AUと推定されています(Torres et al. 2016)。これらのことから,サイズと軌道長半径に注目すると,Kepler-1638bは地球とよく似た惑星であると話題になりました。

主星であるKepler-1638も太陽とよく似た恒星であると考えられています。半径は太陽の0.95倍,質量は太陽の0.97倍,そして温度は5710 Kで,太陽の表面温度5772 Kとほぼ等しい値になっています。主星であるKepler-1638も太陽に似ているだなんて,ますますKepler-1638 b が地球のように生命を育む惑星である気がしてきますよね。Kepler-1638に大気や磁場はあるのでしょうか。それらは地球と同じような描像をもっているのでしょうか,それとも私達のまだ知らない自然現象が隠れているのでしょうか。Kepler-1638bがどこまで地球と似た惑星で,さらには生命が存在できるような環境であるか,さらなる検討が待たれます。

Kepler-1638 b について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/Kepler-1638_bJP.html

GJ163c

GJ163cは、地球からかじき座方向に約49光年離れた恒星GJ163の周りを周回する系外惑星で、2012年にヨーロッパ南天天文台(ESO)の高精度視線速度系外惑星探査装置(HARPS)により発見された。恒星GJ163は、太陽の0.4倍の質量をもち、表面温度3500K、スペクトル型M3.5の赤色矮星である。絶対等級は10.9、視等級は11.8で太陽よりも暗く、年齢は10~100億年程度である。これまでにGJ163には5つの惑星(GJ163b、GJ163c、GJ163d、GJ163e、GJ163f(e,fはさらなるデータが必要とされる))が発見されている。その中でも特にGJ163cは生命が生存する可能性があると注目されている。

GJ163惑星系

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/GJ_163JP.html

 

GJ163cは、地球の6.9倍の質量を持つスーパーアースで、中心星のハビタブルゾーンに位置し、恒星GJ163周りを公転周期25.6日、軌道長半径0.125天文単位で公転している。スーパーアースとは地球の2~10倍の質量をもち、岩石と水で構成されていると考えられる惑星のことである。GJ163cが岩石や水で構成されている場合、その大きさは地球半径の1.8~2.4倍と推定されている。またこの惑星は地球が太陽から受けるエネルギー(1,368 W/m2)よりも約30%多くのエネルギー(1,909 W/m2)を恒星から受けており、大気組成が地球と同様であると仮定すると、その表面温度は約60℃と推定され、地球よりもやや高温になっている。地球上の多くの植物や動物は、この温度での生存は難しいが、微生物の中には高温でも生存できるものもいるため、GJ163cでは生命が生存している可能性があると考えられている。

GJ163cも含め、赤色矮星周りの居住可能性については様々な議論がされている。例えば、赤色矮星のハビタブルゾーンに位置する惑星は恒星に近いところを公転しており、潮汐ロックされている可能性がある。潮汐ロックというのは、2つの天体(例えば恒星と惑星)が近いとき、相手の重力によって生じる潮汐力の作用により、天体の自転角速度と公転角速度が一致して、相手の天体に対して常に同じ面を向ける状態のことである。惑星が潮汐ロックされているとき、常に恒星に向いている面は極めて高温になり、反対の面は極寒になるため、境界領域(ターミネーターと呼ぶ)以外は生命の生存に適していない可能性がある。

また、赤色矮星は太陽型星に比べ、活動が活発で紫外線やX線が多く放出されていて、赤色矮星のハビタブルゾーンに位置する惑星は恒星からの距離も近いため、恒星からより強い放射線を受けて大気が剥ぎ取られている可能性もある。ExoKyotoによる推定では、地球程度の大気圧が維持されている場合は表面は危機的な放射線濃度にはならないが、剥離されている場合は生命に危険なレベルになりうる。

その一方で、地球型惑星(岩石惑星)は地球のように大気を守る磁場などの要素を持っている可能性があり、赤色矮星系のスーパーアースであるGJ163cのような惑星の居住可能性についてはさらなる研究が期待される。

(文責・中村)

 

GJ 163 c について詳しく知りたい方は以下のExokyotoのデータベースページをご覧ください。

http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/GJ_163_cJP.html

GJ163惑星系
GJ163惑星系の惑星

(参考)

“The HARPS search for southern extra-solar planets. XXXIV. A planetary system around the nearby M dwarf GJ163, with a super-Earth possibly in the habitable zone”

<https://arxiv.org/abs/1306.0904v1>

“Up to four planets around the M dwarf GJ 163 Sensitivity of Bayesian planet detection criteria to prior choice”

<https://arxiv.org/abs/1306.1717v1>

“A Hot Potential Habitable Exoplanet around Gliese 163”

<http://phl.upr.edu/press-releases/ahotpotentialhabitableexoplanetaroundgliese163>

“The HARPS search for southern extra-solar planets XXXV. Super-Earths around the M-dwarf neighbors Gl433 and Gl667C”

<https://arxiv.org/abs/1202.2467>