(CoRoT-7bの想像図 SGH守山高校 前田理那 画 ) 潮汐ロックされており、昼面は2000度以上、夜面は中心部に氷が残っている様子を想像した。
(CoRoT-7bの想像図 Credit: Ryusuke Kuroki, Yosuke Yamashiki )
CoRoT-7 b は、太陽系から 489.2 光年( パーセク)離れた恒星CoRoT-7 を周回する系外惑星で 2009 年に公開されました。恒星 CoRoT-7 は視等級 11.7, 絶対等級 5.8 です。この恒星は太陽の 0.9 倍の質量で、 半径は太陽の0.9 倍であり 表面温度は 5313 で、スペクトル型は K0Vです。この恒星の惑星系で CoRoT-7 b は、恒星 CoRoT-7 のまわりを 公転周期0.9 日で、 軌道長半径 0.02 天文単位 ( 2573083.4 km)で公転しています。
CoRoT-7bは2009年2月、COROTによりトランジット法を用いて発見された系外惑星です。いっかくじゅう座の中心部に位置し、太陽系から489光年離れており、その半径は地球の1.52倍と非常に小さく、発見された当時は最も小さな太陽系外惑星でした。また、公転周期は0.85日(約20時間)と極めて短く、恒星までの距離は257万㎞(0.02天文単位、太陽―水星間の距離の20分の1未満)と恒星に非常に近いところを公転しています。
CoRoT-7bはその密度からスーパーアースと分類されていますが、スーパーイオとみなす考え方もあります。
木星の衛星であるイオは、木星や木星のほかの衛星の重力による潮汐加熱で内部の温度が上昇し、火山活動が活発な衛星です。これと同じようにCoRoT-7bも、中心星CoRoT-7やCoRoT-7の他の惑星であるCoRoT-7cの影響を受け潮汐加熱が起きているのではないかと考えられているからです。
また、CoRoT-7bはその短い軌道長半径より潮汐固定が起きていて、恒星に常に同じ面を向けているため惑星の恒星に面した側は2000度以上にもなり、反対側はマイナス200度になるのではないかと考えられています(ExoKyotoでは、潮汐ロックされている場合昼面の温度は2110 K(アルベド0.1と仮定した場合), あるいは1982K(アルベド0.3と仮定した場合)と推定しています)。
地球と同じ岩石型の惑星と考えられているCoRoT-7bですが、その温度もさることながら恒星側の大地は溶けだした溶岩におおわれ、その反対側でも活発な火山活動が起きている可能性があるため、生命が存在する事は難しいでしょう。
(執筆 佐藤啓明 修正担当 山敷庸亮)
Victoria Jaggard (2010)「最も地球に似た系外惑星はスーパーイオ」(参照2018-1-19)
“AstroArts” (2009) 「最小の系外惑星を発見」(参照2018-1-19)
“AstroArts” (2009)「最小系外惑星は、地球に似た岩石惑星か」(参照2018-1-19)
CoRoT-7のハビタブル・ゾーン
CoRoT-7のステラマップによる位地
CoRoT-7bの詳しいデータはデータベースの以下のリンクを参照
http://www.exoplanetkyoto.org/exohtml/CoRoT-7_bJP.html